Chromium版EdgeでのIEエミュレートできるモード(IEモード)があり、特定サイトに対してIEモードの適用方法を試してみました。
2020年1月16日より日本にリリースされましたので、IEモード設定のメモしてきます。
現状Windows 10には Internet Explorer 11(以下、IE11)が標準搭載されているとはいえ、IE11は基本的に利用しないブラウザーです。
企業の社内システムは、スクラッチで作成されたアプリや古いシステムで稼働されている企業が多いですね。この場合、たいていはIEでの動作しか保証していないと思います。
Edge で社内システムを動かすのは無理がありそうですが、IEと同じ動作をエミュレートできれば、社内システムも稼働すると考えられています。
社内システムを修正する場合、費用が莫大になる可能性があります。(例えば「人事系システム」「財務系システム」などのERPシステム)
そのようなわけで、未だに企業では社内システムが動作できるよう敏感になっている模様です。
今回 Edge でのIEモードの設定方法は以下で可能です。
ポリシーファイルを入手・実装する
マイクロソフトのページより、ポリシーファイルをダウンロードします。
https://www.microsoft.com/en-us/edge/business/download
ZIPファイルを展開し、admxファイルを最新に入れ替えます。
Active Directory の場合も同様に以下の2点のファイルを入れ替えます。
- admxフォルダ ・・・ msedgeupdate.admx/msedge.admxファイルを “C:\Windows\PolicyDefinitions” にコピーします。
- admx\ja-JPフォルダ ・・・ msedgeupdate.admx/msedge.admxファイルを “C:\Windows\PolicyDefinitions\ja-JP” にコピーします。
Powershellを管理者で実行し、グループポリシーエディタを開きます。Active Directory ですと、[グループポリシーの管理]を開きます。
[コンピューターの構成] > [管理テンプレート] より展開しますと、ポリシーが追加されました。
サイト特定用のXMLを用意する
IEモードはポリシーだけで制御できません。サイトのURLを特定する必要があるため、XML作成用のツール(Enterprise Mode Site List Manager)をマイクロソフトよりダウンロードします。
https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=716853
ツールは、標準インストールでよいでしょう。
”Enterprise Mode Site List Manager” を起動して、左下の [Add] ボタンよりURLを入力し、以下の内容でXMLファイルを作成します。
(設定内容)
項目 | 設定値 |
---|---|
URL | IEモード表示するサイト |
Compat-mode | IE8Enterprise |
Open-in | IE11 |
ポリシー設定する
ポリシー設定は3か所必要です。
- [Internet Explorer 統合を構成する] ポリシー
- [エンタープライズ モードの IE Web サイト一覧を使う (Internet Explorer)] ポリシー
- [エンタープライズ モード サイト一覧を構成する] ポリシー
それぞれ具体的に記載していきます。
[コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Microsoft Edge] を展開し、[Internet Explorer 統合を構成する] ポリシーを有効にします。
[コンピューターの構成] > [管理用テンプレート] > [Microsoft Edge] を展開し、[エンタープライズ モード サイト一覧を構成する] ポリシーを有効にし、先ほど作成したXMLファイルを指定します。
[管理用テンプレート] > [Windowsコンポーネント] > [Internet Explorer] を展開し、「エンタープライズ モードIEの Web サイト一覧を使用する] ポリシーを有効にし、先ほど作成したXMLファイルを指定します。
gpupdate コマンドでポリシーを最新化しておきましょう。
クライアントパソコンで Edge を起動し、edge://Policy と入力すれば、設定したポリシーが適用されているのが確認できます。
まとめ
社内ではIEに最適化されたレガシーなアプリが多いと思います。
IEに縛られたアプリで今後利用する際はIEモードでも可能ですが、完全に動作をエミュレートしているわけではなさそうですので、十二分な社内検証が必要です。