リモートデスクトップサービス(RDS)やVDIのプール(グループ)設定された仮想デスクトップに対して Microsoft 365 アプリをインストール・利用する方法を紹介します。
「VDIやRDS環境でMicrosoft 365 ProPlus を利用できるのか?」という疑問があると思いますが、結論から「YES」です。
たしかに Microsoft 365 のリリース当初はVDIやRDSへのサポートはなかったですが、2014年の中盤からサポートされるようになりました。
但し、通常のインストールするのではなく、Office 展開ツールと呼ばれるツールを利用する必要があります。
今回の内容が参考になるのは以下の利用者さんです。
- RDSサーバでプール型VDI環境でEnterprise版Microsoft 365 アプリインストール
- 共有仮想マシンにEnterprise版Microsoft 365 アプリインストール。
RDSサーバに展開されたVDI仮想デスクトップを想定すると理解しやすいです。
共有仮想マシンは仮想環境上に通常のWindows クライアント/サーバ製品をインストールして複数人でリモート共有することです。
Office 展開ツールの準備
いきなりですが通常のインストールでは対応できません。
いったん Office 展開ツールと呼ばれるデプロイメントツールをダウンロードして定義ファイル(XMLファイル)を準備します。
マイクロソフトのOffice 展開ツールダウンロードページよりツールをダウンロード・展開しておきます。
“Setup.exe” と “configuration-Office365-x86.xml” の2つです。
Xml ファイルの内容を利用用途にあわせて変更し、以下の1行を追加します。
<Property Name=”SharedComputerLicensing” Value=”1″ />
★XMLサンプルです。内容は適宜修正ください。
<Configuration> <Add OfficeClientEdition=”32″ Channel=”チャネル” SourcePath=”サーバの共有フォルダパス” > <Product ID=”O365ProPlusRetail”> <Language ID=”言語” /> </Product> <Product ID=”VisioProRetail”> <Language ID=”言語” /> </Product> </Add> <!– <Updates Enabled=”TRUE” Channel=”Monthly” /> –> <Display Level=”None” AcceptEULA=”TRUE” <Property Name=”SharedComputerLicensing” Value=”1″ /> <!– <Property Name=”AUTOACTIVATE” Value=”1″ /> –> </Configuration> |
カスタムモジュールをダウンロードして端末へインストールする
Microsoft 365アプリのインストールファイル一式を共有フォルダへダウンロードします。
XMLファイルですと、SourcePath=”サーバの共有フォルダパス” の箇所になります。
コマンドプロンプトやバッチファイルなどでsetup.exeを実行し、”download”オプションをつけ、編集したxmlファイルを指定します。
すると指定の共有フォルダへファイルがダウンロードされます。
setup.exe /download configuration-Office365-x86.xml
「インストールモジュール」がダウンロードできましたら、あとはインストールするだけです。
コマンドプロンプトやバッチファイルなどでsetup.exeを実行し、”configure”オプションをつけ、編集したxmlファイルを指定します。
setup.exe /configure configuration-Office365-x86.xml
まとめ
リモートデスクトップサービス(RDS)やVDIの仮想デスクトップでも問題なく Microsoft 365 が利用できます。
近年リモートワークが普及していくにつれ、在宅ワークでは企業情報の漏洩リスクが上昇しており、データの漏洩やVPN接続している場合の企業内セキュリティ対策が課題となってきます。
その流れで仮想デスクトップサービスやVDIなどの遠隔型の共有デスクトップ利用が増えていくと予想。
仮想環境の共有デスクトップへのMicrosoft 365 インストールの際に、よく見逃してしまう内容ですね。